2022年 02月 08日
「となりのウミガメ」 |
20年近くも前からウミガメの個体識別をしながら保全活動を行い、毎日のビーチクリーンやそこに生息する在来植物を守る活動をコツコツと続けている写真家の友人がいます。その行動力と継続することがどれだけ大切なことか、自身の行動で示してくれていて、わたしが心から尊敬している人でもあります。
去年は待望の写真集『となりのウミガメ』が出版されました。彼らしい優しさが溢れ、一気に読んで感動して胸がいっぱいになった。写真の素晴らしさはもちろんだけど、学びや大切なことがたくさん詰まっていて、わたしは「繋がり」を強く感じました。全ての生きものは、何かしらの繋がりを持って生きていて、ひとつひとつ、それぞれに役割があって共存しています。わたしたち人間もその繋がりの中でたくさんの恵みをもらって生きているはずなのに、そのことに気づくことができず、知らないうちに大切な繋がりを壊したり、都合のいいように作り替えたりしてきました。今、残っている貴重な繋がりを、これ以上壊さないよう大切にしていきたいですね。この本は、そんなことも優しく伝えてくれている気がします。
2018年、数回にわたり署名のお願いをさせていただいた座間味島・阿真ビーチの「座間味浄水場問題」も無事に解決して、この本の中でも報告されています。ご協力いただいたみなさん、その節はありがとうございました。かけがえのない自然がまたひとつ守られたこと、本当によかったです。長い長い道のりを諦めずに頑張った友人をはじめ、島の方々の努力があってこそだと思います。尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。
この本に登場するウミガメは29個体。識別していない個体を合わせるともっと。それぞれに個性があり、その姿に元気を分けてもらえると思います。今日は巻末に登場する「ミカ」と名付けられたウミガメさんの命日。人間を信頼してたくさんの人に愛されていたそうで、写真の中で「ミカ」はイキイキと生きています。愛嬌のあるかわいらしいウミガメだったんだなーと伝わってきます。『となりのウミガメ』たくさんの方に手にとっていただきたい本です。今日はウミガメの「ミカ」を偲んで紹介させていただきました。
『となりのウミガメ』
by kodadayoko
| 2022-02-08 17:41